相続税の計算方法の具体例です。
課税価格を計算する
相続財産を評価して、相続で取得した財産を集計し、各人の課税価格を計算します。
合計 | 妻 | 長男 | 長女 | |
預貯金 | 5,300万円 | 540万円 | 2,820万円 | 1,940万円 |
株式、投資信託 | 4,500万円 | 1,000万円 | 3,000万円 | 500万円 |
土地、建物 | 5,000万円 | 5,000万円 | ||
▲小規模宅地等の特例適用金額 |
△2,400万円 | △2,400万円 | ||
死亡保険金の受取金額 | 3,000万円 | 3,000万円 | ||
▲保険金の非課税金額 |
△1,500万円 | △1,500万円 | ||
(相続財産の価額) | (1億3,900万円) | (5,640万円) | (5,820万円) |
(2,440万円) |
生前に贈与を受けた財産で 相続時精算課税の適用を受けたもの |
2,000万円 | 2,000万円 | ||
借入金、未払金 | △1,000万円 | △1,000万円 | ||
葬式費用 | △200万円 | △200万円 | ||
死亡前3年(※改正後7年)以内に贈与を受けた 財産(相続時精算課税適用財産を除く) |
100万円 | 100万円 | ||
課税価格 | 1億4,800万円 | 4,440万円 | 5,920万円 | 4,440万円 |
※税制改正により、令和6年以後の贈与については、相続税の課税対象に加算される期間が、死亡前3年以内から7年以内に延長されました。
相続税の総額を計算する
1.基礎控除額を計算します。
3,000万円+600万円×3(法定相続人の数)=4,800万円
2.課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を求めます。
1億4,800万円-4,800万円=1億円
3.課税遺産総額を法定相続分であん分して、法定相続分に応ずる取得金額を求めます。
妻 | 1億円×1/2= | 5,000万円 |
長男 | 1億円×1/2×1/2= | 2,500万円 |
長女 | 1億円×1/2×1/2= | 2,500万円 |
4.法定相続分に応ずる取得金額を相続税の速算表にあてはめて算出した金額の合計額が、相続税の総額となります。
妻 | 5,000万円×20%-200万円= | 800万円 |
長男 | 2,500万円×15%-50万円= | 325万円 |
長女 | 2,500万円×15%-50万円= | 325万円 |
|
相続税の総額 | 1,450万円 |
相続税の速算表
法定相続分に 応ずる取得金額 |
税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
各人の税額を計算する
相続税の総額を各人の課税価格であん分して、各人の算出税額を求めます。
その算出税額に税額控除などを加減算したものが、各人の納付税額となります。
妻 |
1,450万円×4,440万円/1億4,800万円= |
435万円 |
△435万円 = |
0円 |
長男 | 1,450万円×5,920万円/1億4,800万円= | 580万円 | → | 580万円 |
長女 | 1,450万円×4,440万円/1億4,800万円= | 435万円 | → | 435万円 |
[令和6年7月1日現在]